外国年金の「生存証明」手続きを簡単に ドイツは住民票対応、アプリも導入

2026年08月28日 09:11

今回のニュースのポイント

総務省は27日、「外国年金受給者の生存証明手続の円滑化に関する調査」に基づき、厚生労働省が講じた改善措置のフォローアップ結果を公表しました。外国年金の受給に必要な「生存証明書」の手続きについて、ドイツでは日本の公的機関などが認証を受け付けない場合に駐日ドイツ大使館等で住民票の写しによる対応が可能であることや、アプリによる生存確認の仕組みが導入されていることが確認されました。

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 外国で働き公的年金に加入していた日本人が帰国後も外国年金を受給し続ける場合、国によっては「生存証明書」を外国の年金運営機関へ提出する必要があります。送付されてきた証明書に必要事項を記入し、市区町村や大使館などの第三者から認証を受ける仕組みですが、国内の受給者や手続きを求められる自治体現場で負担となっていました。

 背景には、日本の法令上「生存していること」そのものを証明する制度がないという事情があります。日本では死亡届により戸籍への記載や住民票の消除が行われるため、住民票が存在すれば一般的に生存していることが推定されます。しかし、外国の生存証明書に対して市区町村が認証を行うかどうかは各自治体の判断に委ねられており、行政相談には「市区町村で認証してもらえなかった」という声が寄せられていました。

 総務省の調査(回答20カ国)によると、16カ国で第三者による認証が必要とされ、このうち5カ国では住民票の写しや戸籍謄本の添付で代替可能とされています。これを受け、厚生労働省はイギリス、スイス、スウェーデン、ドイツ、ベルギーの5カ国と協議を実施しました。

 協議の結果、ドイツについては、日本の公的機関などが生存証明書の認証手続きを受け付けない場合に、駐日ドイツ大使館等において市区町村の認証に代えて住民票の写しにより対応できることが明らかになりました。あわせて、海外年金受給者等を対象としたアプリによる生存確認の仕組みも導入されていることが確認されました。一方、スイスとスウェーデンからは住民票の写しでの代替は困難と回答があり、イギリスとベルギーは協議が続いています。

 また、生存証明書の多くが外国語のみで表記されている点も課題でした。自治体からは「翻訳に1件あたり1時間程度かかる」「セキュリティ上、ウェブ上の翻訳サービスを利用できない」といった声が出ていました。これに対し、スイスでは日本語訳が付記された様式などが駐日大使館サイトに掲載され、ドイツとともに日本年金機構のウェブサイトから関連情報へアクセスできるよう整備が進められました。

 外国年金の生存証明手続きは各国の法令に基づいて運用されており、住民票の写しやアプリですべての国の手続きが代替できるようになったわけではありません。スイスとスウェーデンでは住民票の写しによる代替は困難とされ、イギリスとベルギーについては現在も協議が続いています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)