高校新卒の求人倍率3.60倍、2年連続低下 求人1.6%減、1000人以上企業は8.8%増

2026年09月14日 07:24

画・冬のボーナス。微増・横ばい。社員の意欲向上のため。景気回復は感じない。

雇用・求人を表現したイメージ。2027年3月卒業予定の高校生の求人倍率は2026年7月末時点で3.60倍となり、2年連続で低下した。求人総数が前年同期比1.6%減となる一方、従業員1000人以上の企業では8.8%増加するなど、企業規模によって求人の動きに違いがみられた。(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

厚生労働省がまとめた2027年3月卒業予定の高校生の求人・求職状況(2026年7月末時点)によると、公共職業安定所(ハローワーク)における求人数は前年同期比1.6%減の45万9,352人、求職者数は0.8%増の12万7,435人となりました。求人倍率は前年同期の3.69倍から0.09ポイント低下し、3.60倍となりました。2025年3月卒予定者の同時期(3.70倍)、2026年3月卒予定者(3.69倍)に続き、2年連続の低下となります。企業規模別では、求人総数が減少するなかで従業員1,000人以上の企業が8.8%増と伸ばした一方、29人以下の小規模企業は3.9%減と落ち込み、規模間での違いが鮮明になっています。高校生の採用選考および内定は9月16日以降に開始されます。

本文
 厚生労働省が公表した最新統計によると、2027年3月に高校を卒業する予定の生徒を対象としたハローワーク求人における求人倍率(2026年7月末時点)は3.60倍となり、前年同期の3.69倍から0.09ポイント低下しました。今回の集計対象は、学校またはハローワークを通じての職業紹介を希望した生徒に限られています。

 前年同期と比較すると、求人数が46万6,921人から45万9,352人へ1.6%(7,569人)減少した一方で、求職者数は12万6,474人から12万7,435人へ0.8%(961人)増加しました。求人の減少と求職者の増加が同時に生じた結果として、求人倍率の押し下げにつながっています。高校生の就職活動における採用選考および内定解禁は9月16日以降に予定されており、今回の結果はその本格化直前における企業の求人動向を示すデータとなります。

 7月末時点における高校生の求人倍率は、近年高い水準で推移してきました。直近の動向を見ると、2023年3月卒予定者が3.01倍、2024年3月卒予定者が3.52倍、2025年3月卒予定者が3.70倍、2026年3月卒予定者が3.69倍と推移しており、今回の2027年3月卒予定者の3.60倍は2年連続での前年同期比低下となります。ただし、過去の長期的な推移と照らし合わせると3.60倍という数字自体は依然として高水準を維持しており、全体として求職者数を求人数が大きく上回る状況が続いています。

 今回の統計で最も特徴的な動きを示しているのが、企業規模別の求人数です。求人総数が前年同期比で1.6%減少するなか、従業員1,000人以上の企業における求人数は4万941人に達し、前年同期比で8.8%増(3,316人増)と顕著な伸びを記録しました。

 これに対し、中小・小規模企業では厳しい推移が見られます。従業員29人以下の企業における求人数は14万4,368人で前年同期比3.9%減(5,924人減)、30〜99人の企業は13万8,996人で2.6%減(3,704人減)、300〜499人の企業も2万5,975人で2.5%減(678人減)となりました。100〜299人の企業も8万7,525人で0.7%減となったほか、500〜999人の企業は2万1,547人で0.2%増とほぼ横ばいでした。1,000人以上の企業で求人数が増加する一方、小規模な事業者を中心に前年同期を下回り、企業規模によって求人の動きに違いがみられる結果となっています。

 産業別の求人数においても明確な偏りが生じています。最多の求人数を占める製造業は14万6,756人で前年同期比0.2%増とほぼ前年並みを維持しました。製造業の内部では、電子部品・デバイス・電子回路製造業が6.3%増、非鉄金属製造業が8.4%増、輸送用機械器具製造業が2.9%増と堅調な伸びを示しました。また、学術研究、専門・技術サービス業は11,141人で12.9%増と高い伸びを見せています。

 一方、生活関連サービスや宿泊・飲食、医療・福祉などでは減少が目立ちました。生活関連サービス業、娯楽業は前年同期比9.4%減、宿泊業、飲食サービス業は7.4%減、医療、福祉は6.9%減となりました。このほか、卸売業、小売業が2.5%減、建設業が2.3%減と、主要産業の間で求人を出す動きに明暗が分かれています。

 地域ごとの求人倍率にも大きな隔たりが存在します。都道府県別で最も高い求人倍率を示したのは東京の13.81倍で、大阪の8.21倍、京都の4.59倍、広島の4.57倍、愛知の4.54倍などが全国平均を大きく上回る数値を記録しました。対して、沖縄は1.42倍、鹿児島は1.48倍、宮崎は1.50倍、奈良は1.80倍、長崎は1.81倍にとどまっています。ただし、今回の求職者数は学校またはハローワークからの職業紹介を希望する生徒に限られており、地域別の倍率を各地域の高校生全体の就職環境と同一視しないよう注意が必要です。

 2027年3月卒業予定の高校生を対象とした求人環境は、全体として3.60倍という高い倍率を保ちながらも、求人減と求職者増によって2年連続の低下となりました。9月16日からの選考・内定解禁に向け、1,000人以上企業での8.8%増と29人以下企業での3.9%減にみられる規模別の相違や、産業・地域によるばらつきの実態を把握することが重要となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)