経済波及効果が大きいとされる新設住宅の着工戸数は世帯数の減少に加え、空家率の増加、住宅の長寿命化などの影響もあり、国内の新設住宅着工戸数は2020年ころまで年間80万戸台で推移するとの予測が野村総研から3日発表された。
1996年(約163万戸)に比べ、約半分の水準になっている。また、2010年度の実績数は81万9000戸だった。
野村総研によると「国立社会保障・人口問題研究所が実施している日本の世帯数の将来推計によると、国内の一般世帯総数は2015年度まで増加し、その後減少に転じる。この世帯数減少の影響を大きく受けるのが新設住宅着工戸数で、2015年度には約84万1000戸、2020年度には83万4000戸になる」と予測している。
さらに「2023年度には78万5000戸となり、80万戸を下回ることも見込まれる」としていることから、住宅メーカーや建設会社、不動産会社、住宅設備・建材メーカーなどは市場競争力を高める一方で、新築市場に依存しない事業構造を構築していく必要があることをうかがわせている。
(編集担当:福角忠夫)