企業から被災地へ、依然広がり続ける支援の輪

2011年03月28日 11:00

 スイス ・チューリッヒに本社を持ち、歯科医療機器の開発・製造、販売を行うノーベル・バイオケア・ジャパンは24日、スイス本社のサポートを受け、東日本大震災の被災地に対する義援金として総額100万ユーロ(約1億1500万円)の寄付を行うと発表した。同時に、千葉県にある同社「幕張プラント」について今回の地震の影響による関連機器の不具合がないことを確認したが、日本国内の顧客や患者の要求に確実に応えられるよう、一時的に海外プラントに生産を切り替えるなどの対応を行っているとも報告している。尚、「幕張プラント」の生産は準備が整い次第再開する予定だという。

 一方、不動産サイト「東京ROOMS23区」を運営するITNetコミュニケーションズも、東日本大震災の被災者に対する支援の詳細を発表した。発表によると同社は、被災者の中で進学や就職、避難等によって東京への引越しを予定している人の新生活に対する不安や費用負担を軽減するため、「東京ROOMS23区」に加盟する不動産会社の協力の下、東京の賃貸物件ほぼすべてを対象に、賃貸借契約時に掛かる仲介手数料を全て無料にし、敷金や礼金を必要としない空室物件を中心に案内する取組みを行う。インターネットの同時加入によって引っ越し費用を最大8万円まで負担する従来の割引サービスと合わせ、総額1億円相当の被災者支援となるという。

 東日本大震災の発生から10日以上が経過し、企業から提供される支援の内容も、被災者たちが求める現実的な需要に目を向けたものになってきている。こういった支援が続き、徐々にでも被災者の社会復帰が進むことが願われる。