JAL(日本航空)再建の中で、JALの整備部門の一翼を担ってきた日東航空整備が1月21日に「会社清算し、3月31日に解散する」と発表するとともに社員全員を解雇するとした問題と日東航空整備が担ってきたMD90(ダグラス社製の大型短距離ジェット旅客機)などの航空機の整備をJALエンジニアリングがカバーすることに対する整備能力での安全性の問題が16日開かれた衆議院予算委員会で取り上げられた。
大畠章宏国土交通大臣はMD90などに対するJALエンジニアリングの整備能力について「改めて立ち入り検査する」とした。
三井辨雄国土交通省副大臣は「JALエンジニアリングに(MD90の)整備経験者がいる」と語るとともに「昨年7月に整備能力を確認している」とした。
また日東航空整備の社員解雇について、三井国土交通省副大臣は日東航空整備の社員解雇について「140数名の中の一部しか再就職が決まっていない。(再就職に)最大限努力するよう努めていきたい」とした。
日東航空整備の社員らは自社労組の解散に追い込まれたため、航空労組のスカイネットワークに加入し、日東航空整備に対し会社清算・解散への経緯説明と全社員雇用継続、退職の場合の条件などについて、団体交渉に応じるよう求めている。
これは、穀田恵二衆議院議員(日本共産党国対委員長)が航空機は機種ごとに整備免許が必要で、MD90の整備はこれまで日東航空整備が担ってきた。JALエンジニアリングにもMD90の整備士免許を持っている整備士がいるが、年1回整備するだけで、ペーパー免許だ」と整備経験が少なく安全性に問題があると指摘。あわせて「会社ごと潰して全員を解雇するのはひどい」と再就職支援に踏み込んだ対応を政府に求めた。
(編集担当:福角忠夫)