韓国ビール市場に活路を求める大手ビールメーカー

2010年12月09日 11:00

 サントリーホールディングスは今月6日、韓国のビールメーカーであるOBビールと業務提携し、韓国ビール市場へ本格的な参入することを発表した。同社の主力ビールである「ザ・プレミアム・モルツ」を韓国の業務用市場にて販売していくが、来春以降は一般家庭向けへの缶ビールの販売も予定しているという。

 同社は、既に2009年9月から韓国国内の飲食店向けに「ザ・プレミアム・モルツ」の試験販売を実施しており、高い価格設定にもかかわらず好評を得たことから、韓国国内での需要が充分に見込めると判断。そこで、韓国ビール市場において第2位のシェアを誇り、米国ブランドなど海外ビールの販売実績があるOBビールと提携することで、中国や日本に比べれば消費量は少ないものの輸入ビールのシェアが急速に伸びている韓国ビール市場に、本格参入する方針を固めた。販売目標は、2011年に年間6万ケース(350ml×24本)、5年後の2015年には年間60万ケース(同)としている。

 韓国のビール市場へは、先月の25日にサッポロホールディングス<2501>が、韓国の大手乳業メーカーのメイル乳業と業務提携し、韓国でのビール販売事業に本格参入することを発表したばかりだ。これまでロッテグループと提携して韓国において「スーパードライ」を販売してきた実績を持つアサヒビール<2502>も、その提携を拡大する方針を示している。日本大手ビールメーカー各社は、国内のビール消費量が伸び悩む中、韓国や中国を始めとしたアジア市場に活路を求め始めている。