日本マクドナルド、宅配サービスへ参戦

2010年12月09日 11:00

 ファーストフード業界は低価格戦略による競争激化で客単価は下がっているものの、品質の向上や格安キャンペーンなどにより、利用客は増加している。なかでも低迷する外食業界にあって、2009年12月期の売上高が3623億円とひとり勝ちしている日本マクドナルドだが、今度は宅配サービスも開始するという。

 今回対象となったのは東京・世田谷の用賀インター店。12月下旬より試験的に開始し、2011年4月までに都内で10店舗程度実施する。その後、来年夏をめどに全国展開する構えだ。すでに韓国や台湾などでは宅配サービスを実施しているが、単純に海外との比較はできない。まずはこの試験期間に宅配サービスに対するニーズを図るという。

 他社を見るとケンタッキーフライドチキンはすでに1975年よりデリバリーサービスをスタート。1993年には宅配ピザのピザハット事業を開始し、そのノウハウを応用してシステム化した。その後、着実に店舗数を増やし2011年3月までに宅配実施店舗を149店舗にまで伸ばす予定だという。

 また、モスバーガーは、2009年末にオフィス街にある13店舗を専門サイトに出店。最低注文金額を設定し、ランチタイムや残業時の大量注文を送料200円から(店舗により異なる)実施している。さらに全国約200店舗で少量に対応した、店に直接注文するお届けサービスも行い好評を得ている。

 現在、内食化による傾向なのか、弁当やピザ、寿司などで宅配を軸にしたサービスも売り上げは好調だ。業界内で最後に宅配サービスをはじめる日本マクドナルドだが、他業態の顧客層を侵食しどれだけ売り上げを伸ばすのか、注目したい。