国内各メーカー、世界の半導体市場の活況を追う

2010年12月08日 11:00

 世界半導体市場統計(WSTS)によると、2010年の世界半導体市場は、09年実績比28.6%増の2909億5100万ドル(約26兆6800億円)で1984年の統計開始以来、過去最高を更新する見通しだ。さらに2011年は3138億ドルと前年比で4.5%増、2012年も同5.6%増の3315億ドルとなると見込んでおり、今後も堅調な伸長が予測されている。

 国内では大手の東芝 が12月3日に、ブラジルのウェルナー・フォン・ブラウン先端技術研究センターと、センプ東芝インフォマティカ社との3社で会社設立に関する覚書を締結。2011年3月末までに正式契約すると共に、ブラジル・サンポウロで合弁会社を設立する予定だ。新会社の資本金は400万米ドルで、それぞれの出資額はウェルナー・フォン・ブラウン先端技術研究センターが10%、センプ東芝インフォマティカ社が60%、東芝が30%。設立後は、ブラジル国内向けアプリケーションに搭載される半導体の一部の設計を行っていくという。

 一方、三菱電機 も11月30日、ドイツの半導体メーカーであるビンコテックグループの全株式を、米投資会社から買い取ることを発表。今後は欧州で、家電製品や産業用機械などの電力制御に使われる「パワー半導体」事業を強化する方針だ。

 世界的に活況を取り戻しつつある半導体市場だが、国内だけに限定すると2010年の成長率は16.9%増と、世界4地域中で最も伸びが低い。世界の伸長に追随するべく策を国内各メーカー考察する。
(編集担当:北尾準)