三菱製紙が、産業用インクジェット印刷機（Ｈｉｇｈ－Ｓｐｅｅｄ Ｉｎｋｊｅｔ Ｐｒｅｓｓ）に対応したオフセットコート紙ライクなインクジェット用紙を開発し、業界に先駆けて商品化したと発表。先の東日本大震災の津波により大きなダメージを被り、昨年１１月に全面復旧に至った八戸工場の復興のシンボルの一つとして、広く世界市場を対象に本格的に販売を開始する。
「刀剣」の刃を彷彿させる高光沢感と画質の切れ味より「ＳＷＯＲＤ ｉＪＥＴ」（ソードアイジェット）と名付けられた新商品は、今年５月に独国Ｄｕｓｓｅｌｄｏｒｆで開催された世界最大の印刷機材展ｄｒｕｐａ２０１２において披露され、大きな反響を呼んだもの。設計コンセプトは、インク、印刷機を選ばない「ユニバーサルペーパー」。同社「高砂工場」及び「京都工場」において生産している所謂高級インクジェット専用紙の廉価版ではなく、基幹工場である「八戸工場」においてオフセット紙にインクジェット適性を付与する発想の下、独自の技術「Ｐｏｒｅ－Ａｒｃｈ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ」を構築し、インクジェット適性と後加工適性を両立させ、コストとのバランスを取り、且つオフセット紙の風合いを伴った商品になっているという。
現在生産をしている銘柄は、全銘柄ＦＳＣ 森林認証紙対応可能で、大日本スクリーン製造のＴｒｕｅｐｒｅｓｓ Ｊｅｔ５２０、Ｔｒｕｅｐｒｅｓｓ ＪｅｔＳＸ、リコープロダクションプリントソリューションズ・ジャパンのＩｎｆｏＰｒｉｎｔ ５０００、ＫｏｄａｋのＰｒｏｓｐｅｒ５０００ＸＬなど、多くのメーカーのインクジェット印刷機において、水性顔料インクのみならず、水性染料インクにも高い発色性を発現し、非常に幅広い適合性を示している。
