NTTドコモ、KDDI、イー・アクセス、沖縄セルラー電話の4者が、「一般社団法人700MHz利用推進協会」を設立したと発表。700MHz帯を利用したモバイルブロードバンド網を早期に構築し、高速かつ利便性の高いサービスの提供を目指すという。
地上波テレビ放送がデジタル化したことに伴い、空き周波数となった700MHz帯。この700MHz帯をめぐり、モバイルブロードバンドのさらなる高速化と、トラヒックの急激な需要増加への対応を行うため、先の4者は700MHz帯を使用する特定基地局の開設計画を総務省に申請し、2012年6月28日に総務大臣より認定されていた。
一般社団法人700MHz利用推進協会はこの認定4者が中心となり、現在この周波数を利用中のFPUおよび特定ラジオマイクについて、新たに割り当てられた周波数帯への移行を行うため、適切な移行措置の推進を目的として設立。700MHz帯を使用する特定基地局を運用することにより発生する恐れのある、地上デジタルテレビ放送の受信障害の防止、発生した場合の解消措置も実施するとのこと。
なお、KDDIと沖縄セルラー電話は、地域ごとに連携する法人であることから、これらを一つの者とみなし、代表してKDDIを設立時社員(正会員)となる。
ソフトバンクが「プラチナバンド」と銘打って今夏から展開している900MHz帯。700MHz帯は、この900MHz帯と同様、電波の質がよく、室内や建物の陰などでも電波が届きやすいという。NTTドコモやKDDIは、すでのこのプラチナバンド帯を持っているが、スマートフォンやタブレット端末の普及とあいまって高速化・大容量化が急速に進んでおり、混雑により繋がりにくくなる可能性がある。そのため、一日も早い700MHz帯の利用開始が望まれている。ソフトバンクによるイー・アクセスの買収も、イー・アクセスに割り当てられたこの700MHz帯の利用開始を見込んでのことであろう。すでにこの周波数帯に対応した機種も市場に投入されており、数年内に利用が広まることは想像に難くない。今後しばらくは、この周波数にまつわる話題が多く聞かれるのではないだろうか。