親権を濫用して子どもを虐待するケースが増える傾向にあることから、民法が改正され、子ども本人からの請求も含めて一時的に親権を制限する親権停止制度が4月1日から始まる。
これは、現行の親権喪失制度に加え、2年間を最長として親権の行使を制限するもので、制度適用の請求は親族、検察官、未成年後見人のほか、子ども本人も請求できる。親権停止は子どもの利益を害すると判断されれば足りる。
また、未成年後見制度が改められ、社会福祉法人などの法人や複数の個人でも未成年後見人になることができるようになるため、児童虐待から子どもを守るうえで効果が期待されている。
厚生労働省によると、平成22年度に全国の児童相談所に寄せられた児童虐待相談件数は5万6384件にのぼり、身体的虐待や養育放棄、性的虐待,心理的虐待により深刻な事態を招くケースも生じている。しかし「虐待する親の中には躾(しつけ)をしただけと虐待を認めず、児童相談所が一時保護した子どもを強引に連れて帰ろうとしたりする親もいる」として、新たな対応策が求められていた。(編集担当:福角忠夫)