三菱電機が、インドのシーケンサ・表示器メーカーであり同社のFA機器販売代理店であるメサンググループを買収により、三菱エレクトリック・インド社へ統合すると発表した。インド市場におけるFA(ファクトリーオートメーション)システム事業強化の一環として2011年12月に事業譲渡契約を締結しており、2012年4月に新体制での営業を開始する。この新体制で2015年度にはインドでの売上高150億円を目指す。
経済成長のアジア市場の中でも、インドでのFA市場は、自動車・繊維・製薬・食品産業向けを中心に年率10%以上の成長が見込まれている。そのようなインドにおいてシーケンサ・表示器メーカーでもあるメサンググループは、15年以上にわたって顧客密着型のソリューション提案と技術サポートにより、メイン市場である自動車、繊維などの製造装置メーカー向けに三菱電機製品を販売し、一定のシェアを獲得してきた。
三菱電機はこれまで、インドを重点強化地域とし、販売力強化のために人員を2011年の32名から400名へ、代理店も2011年の6社から20社へと拡充することを掲げていた。北部に本社と生産拠点、南部に支社が一か所の体制であった三菱エレクトリック・インド社が、西部に本社を置くメサンググループを買収することにより、10販売拠点1製造拠点を得ることとなる。新規顧客獲得と既存顧客深掘りのためにはメーカーとしてのソリューション提案力向上を急務と考える同社のとってこの買収は、インドでの事業拡大に向けて大きく動き出した形であると言えるだろう。