総合2位で表彰台に立ったTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ（写真右）とジュリアン・イングラシア組「ヤリスWRC17号車」
2020年のFIA世界ラリー選手権（WRC）が始まった。第1戦ラリー・モンテカルロの最終日は1月26日にモナコを基点に開催された。結果、第1位はティエリー・ヌービル／ニコラス・ジルソー組の「ヒュンダイi20クーペ WRC」だった。
次いで、一昨年シーズンにコンストラクターズ・タイトルを奪取、昨年ドライバーズ・チャンピオンシップを輩出したTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamがチームを刷新、今年から加わったセバスチャン・オジエ／ジュリアン・イングラシア組「ヤリスWRC17号車」が総合2位で、エルフィン・エバンス／スコット・マーティン組「ヤリスWRC 33号車」が総合3位、カッレ・ロバンペラ／ヨンネ・ハルットゥネン組の69号車が総合5位でフィニッシュした。また、今回初めてヤリスWRCに挑んだ、TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムの勝田貴元は、総合7位でフィニッシュ。貴重な経験と、ドライバーズポイントを獲得した。選手を一新して臨んだ最初のラリーで、ヤリスWRCは4台のマシーン全車が完走した。
ラリー・モンテカルロ競技最終日は、モナコを基点に、その北側に広がるフランスの山中で2本のステージを各2回走行。日中のサービスは設定されず、4本のSSの合計距離は63.54kmだ。3日目の前日には、オジエとエバンスが激しい首位争いを展開し、エバンスが総合1位、オジエが4.9秒差の総合2位と、ヤリスWRCが1-2体制を気付いていたものの、3日目にオジエと1.5秒差の総合3位につけていたライバル・ティエリー・ヌービル／ニコラス・ジルソー組が速く、首位の座を明け渡すことになった。
それでも僅差の戦いは最終ステージまで続き、エバンスとのチーム内バトルを制したオジエが総合2位でフィニッシュ。ボーナスポイントがかかる最終SS「パワーステージ」では、ベストタイムに僅か0.012秒届かなかったものの、2番手タイムで貴重なボーナスの4ポイントを獲得した。
合計4本のベストタイムを叩き出し、素晴らしいスピードで何度かラリーをリードしたエバンスは、優勝は逃しましたが自身のラリー・モンテカルロでの最高成績である総合3位でフィニッシュ。今回がヤリスWRCでの初WRC出場だったロバンペラは、難しいコンディションで最後までミスのない安定した走りを続け、前日よりもひとつ順位を上げてラリーを終えた。
2020年のWRCシーズンが始まり、今年は日本開催も決まっている。TOYOTA GAZOO Racingにとっては、4組8人の新たなドライバー／コ・ドライバーを迎えた新チームでのスタート。新チームでの開幕戦、全4台のヤリスが完走を果たせたことは、大きな収穫といえる。（編集担当：吉田恒）
