TPP 総理のAPEC出発前に党の意見集約

2011年11月07日 11:00

 平野博文民主党国会対策委員長はTPP交渉への参加の是非について「TPP交渉に参加するかどうか、国を2分する議論になっている。民主党内も毎日のように議論しているが、(野田佳彦総理がAPEC)出発前に(党としての考えを)集約しなければと思っている」とし、総理出発前に党内意見をとりまとめたい考えを示した。

 ただ、党内でも民主党をぶっ壊す覚悟で反対するとの強い反対姿勢も議員らの中にあり、集約できるのか首脳陣は厳しい状況に置かれている。

 平野氏は「国益を守るために、どう対処するかということだ」と国益の視点で総合判断する考えを強調した。

 これは6日のNHK日曜討論で語ったもので、共産党の穀田恵二国対委員長、社会民主党の照屋寛徳国対委員長らは、参加に反対を明言。穀田氏は「米はじめ日本農業に壊滅的な打撃を与える。食の安全、保険のきかない医療の拡大」などを指摘し、照屋氏は「農業、医療、雇用にも大きな影響を及ぼし、国益を損ねる。社民党は断固反対」と語った。

 国民新党の下地幹郎幹事長も「TPPの交渉参加には反対だ。国民に説得できるよう時間をかけて議論するよう」求めた。

 たちあがれ日本の片山虎之助参議院幹事長は「TPPに関する政府の情報開示が不十分。国論が真っ二つになっている中で、国民が懸念を持ったまま(の状態で政府は参加の是非を)表明すべきでない。国民のコンセンサスを得るべき」として、拙速な表明は避けるよう提示した。

 公明党の漆原良夫国対委員長は「東京新聞がAPECでの表明でもルールづくりへの参加は遅いとしているが、アメリカからそうした資料があるのか」と平野民主党国対委員長に質した。平野氏は「そこまで承知していない」と答えたが、漆原氏も片山氏同様に政府の情報開示の不十分さを指摘し、持ちうる情報の開示の必要性を指摘した。

 自民党の岸田文雄国対委員長は「明後日に党としての見解をまとめる」との考えを述べた。また自民党政務調査会と外交・経済連携調査会は「TPPに関して現段階では政府の情報収集、国民への説明が決定的に不足している」として「APECでの交渉参加表明に反対する」との考えを示している。

 みんなの党の水野賢一幹事長代理は「TPPは積極的に推進すべきと言っている唯一の政党」と語り、「TPPのルールづくりから参加していくべき」との考えを述べた。
(編集担当:福角忠夫)