枝野幸男経済産業大臣は2日午後4時過ぎから経済産業省内で開かれた内閣官房主催のTPP協定交渉に関する討論会に出席し「(TPP交渉に参加するかどうか)時間をとれるなら最大限時間をとって議論すべきだと思うが、あまり遅れると、日本はこのルールに入るのか、入らないのかの選択を迫られることになる」と語り、選択を迫られる段階で無く、ルールづくりの段階で交渉参加していくべきとの考えを示した。
また、「TPP参加が農業や漁業に深刻な影響を与えるのは明らか」として参加に反対している加藤好一生活クラブ連合会長が「東京新聞はAPECでも手遅れという記事を載せていたが」と枝野大臣に向けたのに対し、枝野大臣は「(手遅れというのは何を根拠にしているのか分からないが)ルールづくりにコミット(参加)するには遅いことは間違いない。早ければ早いほど(ルールづくりに)コミットできる」と早期参加が国益につながるとの考えを述べた。
特に、枝野大臣は「市場原理の行き過ぎの中で、最低限のルールをつくっていこうとしている。だからこそ、日本の考えを織り込んでいく必要がある」とも語った。
枝野大臣は農業の国際競争力について「競争力という言葉は変えた方が良い。安いものを沢山つくることが競争だという(昔の)イメージがあるから」とし、「高いけれどもいいものを売る」という付加価値の高い商品づくりと第2次産業の技術と農業をやる人とをつなぐことの重要性などについても語った。
TPP討論会は下村健一内閣官房審議官が司会をつとめ、枝野大臣、加藤氏、新浪剛史ローソン代表取締役社長が日本の経済活力をいかに高めるか、農業の競争力強化、アジア・太平洋地域のルールづくりをテーマに1時間を超えて議論し、ネットでライブ中継された。
加藤氏はTPP参加は日本の農業の競争力を高める良い機会になるとした。又、農業に産業界が資金やノウハウを支援、サポートしていくことの重要性も語った。
(編集担当:福角忠夫)