Hondaは、2024年春に発売を予定する新型軽商用EV(電気自動車)「N-VAN e:(エヌバン・イー)」の情報をホームページで先行公開した。
Hondaは、「2050年にカーボンニュートラルの実現」に向け、国内の四輪車販売において、環境負荷低減企業の電動化に対するニーズが非常に高いことから、軽商用EVを皮切りにEV展開を本格スタートさせている。
N-VANのパッケージングは商用車としての積載性や空間価値を、EVとなったN-VAN e:でも実現し、誰もが運転しやすいコマーシャルバンとした。床はフラットで低く、天井は高くし、広く大容量な荷室空間を実現。また、助手席からリアシートまでフラットにすることで、長尺の荷物を積むことも可能した。さらに助手席側のセンターピラーを廃した大開口部により、横からも大小さまざまな荷物の積み降ろしがしやすくなっている。
運動性能はEVらしいスムーズな走りだし、荷物の重さを感じさせないパワフルさ、低重心化による走行安定性を実現。低振動・低騒音によりガソリン車に比べ走行時や停車中の音を軽減し、早朝や深夜でも静かに移動・配送することができる。
パワーユニットは電動アクスルの小型化、大容量かつ薄型化したバッテリーの採用、高電圧部品の集中配置で、商用車に必要な荷室空間と実用航続距離を確保した。配送業務に十分対応する航続距離としてWLTCモードで210km以上を目標に開発した。
また、より短時間で充電が可能な6.0kW出力の普通充電器に対応。充電時間は約5時間と、夜間に充電すれば、翌日フル充電の状態で使用を開始することができる。
加えて、AC車外給電用コネクターの「Honda Power Supply Connector(パワーサプライコネクター)」を使用すれば、N-VAN e:のバッテリーで合計1500Wまでの電化製品を使用することが可能だ。さらに、可搬型外部給電器「Power Exporter e: 6000(パワーエクスポーターイー)」、「Power Exporter 9000」を使用することでそれぞれ最大6kVA、9kVAの高出力給電が可能で、災害時などに出力の高い冷蔵庫や冷暖房器具など、複数の電化製品を同時に使用することが可能だ。
なお、2023年6月より日本でヤマト運輸とN-VAN e:プロトタイプを使用した実用性検証を開始し、さらに海外においても2023年9月から、インドネシアで国営石油会社プルタミナとの実用性検証を開始した。商品配送における実用航続距離、走行性能、バッテリーの信頼性や充電プロセスなどの実用性検証を行い、発売に向けて準備を進めている。