岸田文雄総理は22日開いたデジタル行財政改革会議で歳出改革について、特に「基金」に関して「期間設定や予算措置に合わせて長期・短期の成果目標を検証することでPDCAサイクルを機能させる必要がある」とし河野太郎行革担当大臣に対し「秋の行政事業レビューにおける指摘に基づき、具体的な基金見直しの横断的方針を年内にまとめるよう」指示した。
岸田総理は「関係大臣と連携し、利用者起点での予算や事業のデータによる見える化に向け、年末までにダッシュボード方式の活用など教育や介護分野で具体案を示すように」とも指示した。
秋の行政事業レビューでは一例として、中小企業イノベーション創出推進基金に関して「基金全体の具体的な成果目標をできるかぎり早期に策定し、それに沿って各省庁が予算執行を行う体制を構築すべき」との指摘。
また「令和9年までの採択期間の終了を待たずに対象企業の技術実証の進捗度合を公表し、基金全体の成果をきちんと検証すべき」「一般社団法人の基金業務が適切に行われるように、担当省庁が監督できる体制を整備し、さらに、1民間企業が基金予算の配分ルールの策定や補助金交付の審査を行っていると誤解されることのないよう、具体的な役割分担を基金シートに 明記して公表すること」が指摘された。
また基金の見直し検討では「予算決定と同時に、短期(3年程度)のものを含め、定量的な成果目標を策定・公表すべき」「基金は複数年度にわたる事業であり、政策効果の発現状況を踏まえた予算とすることが重要であることから、基金への予算措置は3年程度を目途とし、成果目標の達成状況をみて、次の措置を検討すべき」としている。
また「担当省庁及び基金を設置する法人において補助金交付の基準策定や個々の補助金の審査がしっかりできる体制を構築し、これらの根幹的な業務を民間企業に実質的に外注することは避けるべき」と指摘されている。実効性をあげる早期対応が求められる。(編集担当:森高龍二)