大麻取締法及び大麻及び向精神薬取締法の一部を改正する法案が6日、参院で賛成多数で可決、成立した。
「大麻使用罪」を創設した。罰則は「懲役7年以下」とする。薬物乱用の抑止効果を狙うもの。一方で、抗てんかん薬としての使用が期待される中で、大麻草を原料とした医薬品使用が可能になった。改正法案は自民、公明のほか立憲、維新、国民などの賛成で可決し、成立した。
松野博一官房長官は6日午後の記者会見で「近年、若年者による大麻の濫用が増加傾向にあることから、今回の改正が濫用の歯止めになることを期待している。また大麻のみならず、薬物全体について『まずは手を出さない』『出させない』という一次予防の取組みが大変重要と考えている。若者に対する啓発強化に取組みたい」と強調した。
ただ大麻使用罪創設に関しては刑法学者らは慎重な審議を求めていた。石塚伸一龍谷大名誉教授ら学者40数人は「大麻はアルコールや煙草、麻薬や覚醒剤などの麻酔薬物と比べ、個人および社会への実害が少ないことから自己使用は非犯罪化、使用のための少量所持は非刑罰化するという政策が世界的潮流」。
「欧州ではオランダ、ポルトガル、北米ではカナダ、アメリカの複数の州が、直近ではドイツ、アジアでは昨年タイがこの政策を導入した」とし「使用罪創設は国際的潮流に抗い、大麻使用の犯罪化・重罰化を推進しようとするもの」と危惧していた。それでも政府与党や主要野党は若年者による最近の大麻濫用を深刻に受け止め、濫用防止策をとる必要があると判断した。(編集担当:森高龍二)