原発推進の政府 第7次エネルギー計画に注目

2024年02月01日 06:34

 岸田文雄総理は30日の施政方針演説で脱炭素と経済成長の両立を図るGX(グリーントランスインフォメーション)を進めると強調した。

 岸田総理は世界初のGX経済移行債20兆円を活用し、産業・くらし・エネルギーの各分野での投資を加速するとし、今の国会に「水素、CSS(二酸化炭素回収・貯留)、洋上風力導入拡大のための法案を提出する」とした。

 また「カーボンプライシング制度の26年度本格導入へ大企業の参加義務化や個社の削減目標の認証制度創設を視野に法定化を進める。

原子力発電についても「安全性を最優先に引き続き活用を進める」と原発活用推進を改めて明言した。原発の在り方については今年策定が見込まれる「第7次エネルギー基本計画」でどのような表現で扱うのか、原子力関係者も関心を集めている。

 日本原子力産業協会の三村明夫会長は今年年頭のあいさつで「国内ではエネルギー安全保障と脱炭素効果を重視した政策が進展している。昨年2月の『GX実現に向けた基本方針』、それに続く『GX脱炭素電源法』の国会決議や『今後の原子力政策の方向性と行動指針』の決定など原子力を最大限活用する方針が明確に示されたことは大きな前進」とした。

 そのうえで「第7次エネルギー基本計画は原子力の位置付けが明確化され、原子力の再興が確かなモメンタムとなる上で極めて重要な基本計画」と重要視している。また「国内外で原子力を推進・活用しようとする機運が醸成される中、この期待を具体的な行動や成果として結実させることが今強く求められている」と原発推進へ状況が優位に動いていることを伺わせる挨拶をしている。(編集担当:森高龍二)