岸田内閣の総務政務官と国土交通政務官が政治資金収支報告に不記載があったことから岸田文雄総理は31日、ふたりの政務官を事実上更迭した。
不記載のあったのは小森卓郎総務政務官(衆院石川1区)と加藤竜祥国土交通政務官(衆院長崎2区)。後任には岸田派の西田昭二衆院議員(石川3区)を総務政務官に、二階派の尾崎正直衆院議員(高知2区)を国土交通政務官に起用した。
小森氏は安倍派から受けた70万円の寄付を不記載、加藤氏は10万円の寄付が不記載になっていた。
岸田総理は「任命責任を重く受け止めている」としたが、相次ぎ大臣、副大臣、政務官が交替に追い込まれる事態への影響は開会中の国会に大きな影響を避けられない。
この日、自民党安倍派の議員95人(元職含む)が政治資金収支報告書の訂正を行った。立憲民主党の小西洋之参院議員はXで「この収支報告書の訂正は、本当は派閥から議員個人が受け取った違法な個人資金を事実に反して議員の政治団体が受け取った政治資金とできるもの」と指摘。
そして「その結果、議員の違法寄付受領犯罪はなくなり、納税義務のある個人資金から義務のない政治資金に変化させ、脱税を成功させる、まさにマネーロンダリング」とした。
小西氏は「予算委で岸田総理に訂正前に弁護士らの外部監査をするよう求めましたが拒否された」とし「既に複数の議員が『収支報告書に記載するな』と派閥から指示され受け取った個人資金であったと自白しており、95人の議員による集団脱税事件の可能性があります」とも。
また、その訂正について「新たな虚偽記入罪の既遂となる。(訂正に虚偽記入罪が成立することは総務大臣も答弁) 。総務省や選挙管理委員会は議員側の言い値で訂正を受け付ける形式的審査権しかなく、この政治資金規正法のザルの穴を悪用したマネーロンダリングなのです」と法整備を強調した。(編集担当:森高龍二)