JERA電力相場操縦に武藤経産相「誠に遺憾」

2024年12月21日 07:36

 日本共産党の岩渕友参院議員は19日の参院経済産業委員会で東京電力と中部電力が出資し2015年に設立した電力供給会社JERA(ジエラ)が電力取引市場で相場操縦にあたる行為をしていた問題で政府の考えを質した。武藤容治経済産業大臣は「まことに遺憾だ」と断じた。そのうえで同社が真摯に対応するように求めた。

 JERAが電力・ガス取引監視等委員会から業務改善勧告を受けていた問題。JERAは2019年4月から2023年10月までスポット市場で市場相場を変動させることを認識しながら余剰電力の一部を供出していなかった。委員会は市場への入札プロセスを総点検し、措置を講ずるよう11月12日に勧告した。

 相場操縦で同社が得た不当利益は電力・ガス取引監視等委員会の試算で最も多い日で1日1億円以上。「相場操縦による影響の大きかった特定した3日間で卸売市場での買い手に計40億円以上の額を支払わせていたと考えている」(同委員会)という。

 同社は「ツールの不備に起因したもので、利益を享受する目的で相場操縦を行う意図はなかった」などと釈明。今月12日に再発防止策を同委員会へ提出した。防止策では適切性を確認する機能強化 (ミドルチェック機能強化)やコンプライアンス・ガバナンス面からの牽制機能強化、データ管理フレームワークの強化など再発防止の「仕組みの構築」を図るとし、教育・研修の充実、トップマネジメントの関与など「社内風土の醸成」に努めるとしている。故意・過失は別に相場操縦により得た不当利益を還元するのかには触れていない。(編集担当:森高龍二)