石破茂総理は22日、防衛大学校卒業式で訓示し「中国は東シナ海、南シナ海での力による一方的な現状変更の試みを継続・強化し、北朝鮮は弾道ミサイル発射を繰り返し、能力増強している。ロシアによるウクライナ侵略は継続し、北朝鮮兵士のロシアへの派遣も行われている。今日のウクライナは明日の東アジアかもしれないという不安を多くの人が抱くに至っている」と日本を取り巻く安全保障環境の変化を強調した。
そのうえで「武力侵攻が起きたとき、日常が失われることはウクライナを見れば明らか。さればこそ、武力侵攻といった脅威が我が国に及ぶことがないよう、抑止力を強化しなければならない」と述べ「防衛力の抜本的強化は我が国自身の抑止力を強化するために不可欠であり、国家安全保障戦略等に基づき取組んでいく」とした。
また「防衛力最大の基盤は人。諸官一人一人の存在が防衛力の中核であり、諸官一人一人の努力が我が国の抑止力強化に直結する」と幹部自衛官としての自覚と責任を促した。
石破総理は「自衛隊員には最高の栄誉が与えられるべきと考えている」などと述べ「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託にこたえるとの服務宣誓を行う。このような誓いを立てる諸官が誇りと名誉を持ち、働きがいを実感しながら職務に専念できること。知識や能力をいかしながら退職後も社会で活躍できることを実現するため、私が先頭に立って防衛大臣と共に処遇改善に取組む」と処遇を良くする考えも伝えた。(編集担当:森高龍二)