ヨーロッパが気になるが終値9200円台回復

2012年11月22日 11:00

 21日は、前日のNYダウがヒューレット・パッカード(HP)の四半期68億ドルの赤字と子会社の不正会計問題発覚、「財政の崖を回避できなければ景気後退に陥りかねない」というバーナンキFRB議長発言が投資家心理を冷やし7.45ドル安だったこと、ムーディーズがパナソニック <6752> の格付けを投資適格ギリギリの水準まで下げたこと、午前8時50分に出た10月の貿易統計が予想を超える5490億円の大赤字だったことなどで、東京市場には続落懸念もあった。しかし日経平均の始値は71.09円高で9200円台に乗せて始まり、前場はそれを維持した。後場に入ってユーロ圏財務省会合でギリシャ追加支援の結論が26日以降に持ち越しになったニュースを受けてユーロとともに株価も一時下落し、9200円台をたびたび割り込みながら、終盤は買い戻しが入って終値は79.88円高の9222.52円だった。地合いの良さに加え、フランス国債の格下げをしのいでユーロ円が一時105円直前、ドル円が一時82円直前の水準まで進んだ円安も好感された。東証1部売買代金は1兆1101億円。日経平均先物あたりに海外の機関投資家のまとまった資金が入る流れは依然、続いている。

 東証1部売買高ランキングトップになったマツダ <7261> が7円高、トヨタ <7203>が75円高、ホンダ <7267> が82円高など自動車株が売買を伴って上昇し、日野自動車 <7205> と富士重工 <7270> は年初来高値を更新した。輸出関連株を中心に電機、機械、ゴム、鉄鋼、化学、海運なども買われた。ハイテク株のキヤノン <7751> 、東京エレクトロン <8035> 、ファナック <6954> も好調。ソフトバンク <9984> は4日続伸して3000円台に乗せた。一方、前週末好調だった東京建物 <8804> など不動産が下落し、保険株も売られている。アイフル <8515> は利益確定売りで続落した。

 19円高で3日続伸したのが丸井グループ <8252> で、日経新聞に営業利益が2013年3月期の230億円から70億円上乗せして、2015年3月期は300億円に引き上げるという業績見通しの記事が出て、投資家の買いを誘った。新聞の記事で買われるのも、相場の活気が戻ってきた証拠か。