ロールス・ロイス新EV 価値は“作品性”へ

2026年04月16日 10:07

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世界100台の特別車 ロールス・ロイスが示す新しい価値(画像出典:ロールス・ロイス・モーターカーズニュースリリースより)

今回のニュースのポイント

世界限定100台の特別なEVを発表:ロールス・ロイスは、コーチビルド・コレクションの第1弾として、2シーター電動コンバーチブル「プロジェクト・ナイチンゲール」を発表しました。

招待制による販売、すでに完売の報道も:購入者は同社が選定した顧客などに限定される形式がとられ、報道によればすでに100台すべてが販売済みとされています。

完全電動パワートレインを搭載:初の量産EV「スペクター」と同様のアルミ製基盤を採用。全長約5.76メートルの優雅なオープンEVです。

スペックよりも「物語」を重視:加速性能などの数字ではなく、デザインの物語性や制作過程を共有する「長期的な関係性」を新たな贅沢として提案しています。

 ロールス・ロイスは、世界限定100台の特別モデル「プロジェクト・ナイチンゲール」を発表しました。同社によれば、このモデルは従来の新車発表とは異なる性格を持つモデルとみられます。

 「プロジェクト・ナイチンゲール」は、同社のコーチビルド・コレクション第1弾となる2シーターの電動コンバーチブルです。購入者は同社が評価・選定した顧客などに限定されており、報道ベースでは約15億円(約700万ポンド)からとされ、極めて高価格帯なモデルに位置付けられます。デリバリーは2028年に開始される予定ですが、一部報道ではすでに100台すべてが販売済みであるとも伝えられています。

 本モデルは、ロールス・ロイス初の量産EV「スペクター」と同様に、アルミニウム製スペースフレーム「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」をベースに完全電動パワートレインを搭載しています。全長は約5.76メートルに達する優雅なロングテールデザインを誇り、EVならではの高い静粛性を活かして、自然の音や音響演出を愉しめる空間を目指しています。

 ロールス・ロイスは、このコーチビルド・コレクションを通じて、限定EVの開発過程やパーソナライゼーションをオーナーと共有する「長期的な関係性」を新たな贅沢として提案しています。電動化によって加速性能などのスペック差が小さくなりやすいなか、同社は最高出力や0-100km/hといった数字よりも、デザインの物語性やクラフトマンシップを前面に出して差別化を図ろうとしています。顧客が求める価値は、スペックを超えた唯一無二の「作品性」へと移りつつあると指摘されています。

 ナイチンゲールは、限定台数・完全カスタマイズ・招待制を組み合わせ、所有すること自体がブランドの世界観と一体化する体験となるよう設計された、芸術性を重視したモデルです。こうした超高価格・超少量のEVコーチビルドは、販売利益以上にブランド価値とストーリーを高めることが主目的とみられます。

 今回のモデルは、自動車が単なる移動手段から、所有者の世界観を表現し、特別な体験を提供する存在へと変化しているトレンドを象徴しています。超高価格帯のラグジュアリー市場においては、クルマの価値の重心が「スペック」から「感覚」や「物語性」へと移りつつあることを象徴する動きとみられます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)