カネボウ、資生堂、花王が中価格帯のスキンケアで対決

2010年12月10日 11:00

 カネボウ化粧品は総合スキンケアブランド「suisai(スイサイ)」の保湿ラインとエイジングケアラインから、それぞれのターゲットの肌悩みに応えるUV美容液を2011年3月16日に発売する。

 20代後半以降の女性をターゲットとする「suisai」は、2005年に誕生した中価格帯のスキンケアブランド。昨年12月に「suisaiプレミオリティ」ラインを加え、2つのラインで展開している商品だ。今回それぞれのラインで発売するUV美容液で、中価格帯市場のシェアを拡大したい考えだ。

 一方、他メーカーの動きはどうだろうか。資生堂はメインキャッチを”ハリマドンナ”とした「ELIXIR SUPERIEUR(エリクシール シュペリエル)」を展開しており、こちらも中価格帯スキンケア市場のリーダーを目指す。そして、花王はソフィーナシリーズの中の「SOFINA beaute(ソフィーナボーテ)」ラインで勝負する。

 本来、中価格帯は国内では一番売れているラインで各メーカーも力を入れていた。しかし不景気に強いと言われてきた化粧品でさえも、2008年秋以降は景気停滞に合わせるように市場規模は縮小している。ドラッグストアの成長も重なり、現在低価格帯市場が業界の売上を牽引していると言っても過言ではない。

 業界が拡大成長を再び迎えるには、化粧品の一番の顧客でもある30代・40代が中価格帯の商品に対する消費行動を起こす事だ。中価格帯のスキンケア商品市場は低価格帯に流れた消費者を取り戻せるのかに注目したい。