ソニー<6758>は1日、ソニーセミコンダクタ九州熊本テクノロジーセンター(以下「熊本テック」)におけるCMOSイメージセンサー「Exmor (エクスモア)」「Exmor R(エクスモア アール)」の生産設備の増強を目的に、第1四半期業績発表時点での設備投資額見通しに含まれている2010年度下半期への追加分と、2011年度実施分を合わせて約400億円の投資を行うと発表した。
ここ最近、iPhoneを初めてする高精細・高感度のカメラ機能を搭載したスマートフォンの存在が注目される中、各社から新機種が続々発表されており、今後もカメラ付携帯電話の市場はさらに拡大していくことが予想されている。また、デジタルスチルカメラの市場では、小型軽量化や手軽な撮影機能の進化により、高画質なデジタル一眼カメラのユーザー層が拡大。こうした各市場の背景をもとに、イメージセンサーもさらなる高画質化・大型化が求められるようになってきた。
そうした要望に応えるためソニーは、CMOSイメージセンサーとして、A/D変換器を画素の垂直列毎に並列配置した列並列A/D変換方式を採用しノイズを低減した「Exmor」と、裏面照射型構造を採用することで高感度や低ノイズなど撮像特性を大幅に向上させた「Exmor R」 を用意。既に「Exmor R」 は、2009年からソニーセミコンダクタ九州長崎テクノロジーセンターの直径200mmウェーハラインで、デジタルスチルカメラやビデオカメラ向けに量産を開始している。さらに、今年末からは、携帯電話とコンパクトデジタルスチルカメラの市場へ向けて、熊本テックの直径300mmウェーハの先端ラインでも量産を開始する予定だ。
同社では、今回の設備投資により、熊本テックのCMOSイメージセンサーの生産能力をさらに強化することで、今後の需要拡大が期待できるスマートフォンやコンパクトデジタルスチルカメラなど各種デジタルイメージング商品に向けて「Exmor R」を供給できる体制を確立。併せて、デジタル一眼カメラ向けなどには、大型を中心とした「Exmor」の生産能力も強化していく方針だ。
(編集担当:北尾準)