「CO2±0(ゼロ)住宅」の研究棟を完成、実証試験を開始

2010年08月25日 11:00

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パナホームの「CO2±0(ゼロ)住宅」研究棟。実証試験では、社員をはじめとする家族が一定期間居住し、エネルギー収支の検証を行う。

 パナホーム<1924>は7月、「CO2±0(ゼロ)住宅」の研究棟を同社の本社工場(滋賀県東近江市)に完成させ、2011年度の商品化に向けて、8月から実証試験を開始した。

 同社が考える「CO2±0(ゼロ)住宅」は、優れた建物の気密・断熱性能をはじめ、日射熱取得や蓄熱、熱融通性能の「活エネ」による”パッシブ技術”と、「創エネ」「蓄エネ」「省エネ」を実現する各種の設備・仕様による”アクティブ技術”の活用で、季節や生活シーンに応じた最適な”エネルギーマネジメント”を行い、CO2±0(ゼロ)のくらしを実現する次世代の住宅だ。

 このたび完成した研究棟は、気密・断熱性能を向上させた同社の建物に、自然エネルギーを活用するためのダイレクトゲイン(日射熱取得と蓄熱)やヒートポンプ技術、居室間の熱融通等の空間設計を導入。また、パナソニックグループとの連携によるオール電化仕様をはじめ、直流電力の給電が可能な「AC/DCハイブリッド配線システム」や家全体のエネルギー収支状況が把握できる「ライフィニティECOマネシステム」、直流駆動LED照明などを設置。建物性能の向上と自然エネルギー活用、先進の設備機器により”CO2±0(ゼロ)”を目指す。自然エネルギー活用は、東京大学・株式会社 日建設計・海法圭建築設計事務所との産学共同研究で進めていく。

 研究棟での実証実験では、実際の家族が一定期間生活し、エネルギーの消費量や消費パターンを実測。家まるごとでエネルギー収支を検証・評価していくことで、商品開発に繋げていく。

 2011年度に商品化する「CO2±0(ゼロ)住宅」では、「省エネ」「活エネ」でCO2排出量を1.5トン[1990年築の在来木造住宅(4.5トン)に比べ約65%削減]にし、この1.5トンをソーラー発電システム(3.8kw)やエネファームによる「創エネ」で、約35%相殺することで、収支上ゼロのくらしを実現する。
(編集担当:上地智)