帝人、米国ナノグラム・コーポレーションを買収

2010年08月11日 11:00

 帝人<3401>はナノ粒子材料の設計技術の開発に優れた実績を持つ、米国のナノグラム・コーポレーションの全株式を取得することとなった。

 帝人グループは、「情報・エレクトロニクス」および「環境・エネルギー」分野を注力市場と位置づけ当分野に向けた革新的な材料開発を促進している。当分野においては、ディスプレイや太陽電池の大幅なコストダウンを可能にするプリンタブルエレクトロニクスが注目を集めており、その中核材料となる半導体用シリコンインクの早期開発が期待されている。

 このたびナノグラム社を完全子会社化することにより、米国における研究開発拠点として、国内の融合技術研究所との共同開発体制を一層強化し、半導体用シリコンインクの開発と最適な製造プロセス開発のスピードアップを推進。併せて、ディスプレイや太陽電池関連メーカーに向けて積極的にサンプルを供給し、プリンタブルエレクトロニクス用材料の早期量産化を図るという。

 太陽電池や液晶ディスプレイ向け薄膜トランジスタ用シリコン市場は、2018年には約7,000億円~1兆円に成長すると言われている。当市場に参入するため、5年以内に半導体用シリコンインクの事業化を図り、将来的には半導体用シリコンインク市場で80%程度のシェア獲得を目指す。

 また今後、帝人グループは、自社のポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂、バイオプラスチックなどの素材を用い、シリコンオンプラスチック技術との融合を図ることにより、フレキシブルデバイス分野への市場参入も視野に入れている。
(編集担当:宮園奈美)