今回のニュースのポイント
・潜在成長率を上回る成長シナリオ: 第一生命経済研究所など民間機関の予測によれば、2025年度の実質成長率は0.9〜1.0%程度と見込まれています。潜在成長率(0.5%台)を上回る推移がメインシナリオとされ、賃上げや設備投資の回復が「底力」として機能しています。
・研究開発費は過去最高の22.05兆円: 2023年度の研究開発費は22兆円を超え、対GDP比で主要先進国でも高水準の3.70%を記録。輸送用機器や電子部品などの製造業を中心に、中長期的に労働生産性を押し上げる技術投資が加速しています。
・就業者数は6,781万人と過去最高を更新: 2024年の就業者数は過去最高の6,781万人に達しました。情報通信や医療福祉分野での雇用吸収が、産業構造がモノづくりからサービス・デジタルへとシフトするなかでの受け皿となっています。
日本経済は「停滞」のイメージが根強い一方、実態としては潜在成長率0.5%台という制約のなかで、投資・技術・雇用の各面で着実な底上げが進んでいます。第一生命経済研究所など民間機関の予測では、2025年度の実質GDP成長率は+0.9〜1.0%程度が見込まれており、設備投資や賃上げが潜在成長率を上回る形で成長を牽引するシナリオが想定されています。
その成長を支える最大のエンジンが、過去最高を更新した技術投資です。2023年度の研究開発費(R&D)は22.05兆円に達し、対GDP比では3.70%と、グローバルでも高い水準を維持しています。内訳を見ると、企業のR&Dは16.12兆円(前年比6.5%増)と旺盛です。輸送用機器や電子部品・デバイスなど、日本の「稼ぐ力」の源泉である製造業が、DXや次世代技術への投資を牽引しています。
産業構造の付加価値創出においては、依然として製造業が名目GDPのおおよそ2割を占める最大のセクターですが、同時に雇用面での大きな変化も見られます。2024年の就業者数は6,781万人と過去最高を更新。製造業の就業者が微減する一方で、情報通信や医療福祉といった成長分野が雇用を吸収しており、労働市場は「構造的な人手不足」が賃上げ圧力として働くフェーズに入っています。
大企業を中心に賃上げ率が3%台後半〜4%程度に達するなか、今後はインフレの落ち着きとともに実質賃金のプラス転換も視野に入っています。雇用が従来型のモノづくりからサービス・専門分野へシフトし、生産性向上を伴う「質の高い成長」へと舵を切れるかが、今後の焦点となります。
課題は依然として残りますが、DX・GX投資を通じた生産性の引き上げにより、2025年度以降に潜在成長率が徐々に押し上げられるとの期待も市場関係者の間では出ています。製造業の技術力と、拡大するサービス産業の雇用力が一体となった「稼ぐ力の底上げ」が、日本経済の持続的な成長を実現するための鍵となりそうです。(編集担当:エコノミックニュース編集部)













