国内外の原子力発電所向けタービン用機器(ケーシング・ノズル等)の製造を目的とする合弁会社の設立について基本合意していたIHI <7013> と東芝 <6502> は、今回合弁契約が最終合意に至り、平成23年1月のIHI・東芝パワーシステム株式会社設立に向け、準備を開始すると発表した。
世界各国において、地球温暖化防止とエネルギーセキュリティ確保の観点から、原子力発電への期待が急速に高まっている中、両社は、沸騰水型(BWR)原子力発電所の建設および運転保守ビジネスにおいて、密接な協力関係を築き上げ活動してきた。さらに、米国ウェスチングハウス社に出資して、加圧水型(PWR)原子力市場への参入及びビジネス拡大にも積極的に取り組んでいる。
来年1月に設立される新会社は、IHI横浜事業所内を拠点とし、東芝が手掛けるBWRおよびPWR原子力発電所向け蒸気タービンのケーシング・ノズル等の製造を行う予定だ。
今回の合弁会社設立により、IHIは、得意とする原子炉圧力容器や格納容器の製造に加え、従来手掛けていなかったタービン機器製造という新たな事業領域の拡大につなげ、一方東芝は、タービンの生産能力を拡大し、原子力事業における原材料の調達から生産・販売・物流の強化を図っていきたいとしている。
(編集担当:北尾準)