環境負荷軽減へ 食品トレイで調査 環境省

2010年05月25日 11:00

 環境省はスーパーで「食品トレイ」を使用して販売した場合と「袋入り簡易包装」で販売した場合の原料生産から消費までの環境負荷試算を行うための試験販売と消費者意識調査を実施した結果をまとめた。

 意識調査の結果103人から回答が得られ、「食品トレイ」と「袋入り簡易包装」のどちらの商品を選ぶかでは、袋入りを選ぶとした回答が47%と食品トレイを選ぶ(31%)を16%上回った。

 袋入りを選ぶ1番の理由は「不要になった食品トレイを処分するのが面倒だから(ごみになるから)」(33人)で、「持ち帰る時にかさばらない」(22人)「保管にかさばらない」(8人)が主な支持要因だった。また、「食品トレイがない方が環境への影響が小さい気がする」というのも11人いた。

 一方、食品トレイの包装商品を選ぶとした人では「見栄えがする(おいしそうに見える)」が14人で最も多く、「商品の比較がしやすい」(9人)「衛生的な感じがする」(8人)などをあげた人が目だった。

 調査は埼玉県内のスーパーマーケット、さいたまコープ「コープ南浦和店」で今年3月22日から28日にかけて「とりもも肉」について同一単価で200gから300gの量を100袋程度用意し実施された。その結果、袋入り包装は112袋、食品トレイ304個と食品トレイが全体の73.1%を占め、袋入り包装は26.9%にとどまった。

 環境省では「食品トレイでは見栄えがすること、商品比較が容易であること、(袋入りでは)衛生面からの不安といった理由が支持要因となっている」として、消費者の意識改革を促がすための普及啓発活動を進めるとともに、袋入り販売等の簡易包装の取組事例を重ねて収集し、流通事業者の簡易包装の取組が促進されるよう情報提供を行っていきたいとしている。また、多様な包装材料代替パターンについて、環境保全効果(廃棄物減量効果や二酸化炭素排出量削減効果)を定量的に把握するため、LCA(Life Cycle Assessment)分析等を行っていきたい意向。
(編集担当:福角やすえ)