文部科学省は学校給食費を無償にしている地方公共団体が一部ながら存在していることについて「児童・生徒の保護者の負担軽減を図るために行われているものと認識している」とするとともに「学校給食を無償とするか否かは、地域の実情等に応じて、各学校の設置者が判断すべきもの」との考えを示した。
木村太郎衆議院議員(自民党)の質問に答えた。木村議員は「学校給食費の未納問題に対する自治体の対応は様々で、少子化対策・人口減少防止対策として、給食費を無料化する自治体が出てきているが、これについて政府の見解はどうか」と質した。これに答えた。
また、木村議員が「判明している直近の年度における学校給食費の滞納者数と未納入額の提示を求めた」のに対し、文部科学省は2005年度の学校給食費の徴収状況に関する調査結果として、学校給食を実施している小中学校(中等教育学校の前期課程を含む)で同年度の1年間に未納があった児童生徒数は9万8993人で、学校給食を受けている児童生徒全体の約1%を占め、納付されなかった学校給食費の総額は約22億円、徴収されるべき学校給食費全体の約0.5%を占めていると報告した。
また、未納の主な原因について、学校側の認識として、「約60%は保護者としての責任感や規範意識の問題によるもの、約33%は保護者の経済的な問題によるものと認識している」とした。
今後の対応について文部科学省は「教育委員会等に対し、学校給食の教育的意義や学校給食費の未納により生じる問題等について児童生徒の保護者に周知すること、経済的理由により学校給食費を納付していない保護者に対しては生活保護制度による教育扶助や就学援助制度の活用を奨励すること、各学校と教育委員会が連携しながら必要な対策を講ずることなどを促しているところであり、今後とも教育委員会等の取り組みを支援したい」と回答した。
(編集担当:福角忠夫)