チリで27日発生した大地震の影響を受け、28日、気象庁は東北地方太平洋側の沿岸に対し、大津波警報を発令。地元自治体は住民らに避難勧告を行ったが、避難勧告を最初に知った手段や避難に要した時間についての検証が今後期待される。内閣府が今年1月に実施した「避難に関する特別世論調査」によると、回答者の73.5%までがテレビによる周知が望ましいと他の手段に比較して特にテレビを通した周知に期待度が高いことが分かった。
調査によると、望ましい避難勧告などの伝達手段ではテレビがトップで、2位に広報車(50.8%)、3位にラジオ(46.6%)があがっていた。消防団による広報(35.3%)や携帯メール(32.6%)も3割台を占めたが、防災行政無線での呼びかけは29.3%と意外に反応が低かった。
今回の大津波警報による避難勧告をどのような手段で最初に知ったのかを検証することは、アンケート結果との整合性を確認するうえでも必要と思われる。
調査は今年1月14日から24日にかけて、全国の20歳以上の男女3000人を対象に調査員による個別面接方式で聴取した。1916人から有効回答を得ている。
それによると、避難の際に参考にする情報では、気象情報が75.2%と最も多く、次いで、避難勧告などの発令情報(60.1%)だった。
実際に避難することにした場合、避難にどれくらいの時間がかかるかでは、55.4%の人は15分以内としていたが、1時間以上とする人(0.5%)や避難場所を知らない(7.8%)という回答もあり、2005年の調査時に比べ、15分以内で避難できるという人が5.4ポイント増える一方、避難場所を知らないという回答者も1.7ポイント増えており、自治会などを通した「避難場所の周知」が求められる結果になっていた。
また、充実してほしい対策として、安全な避難場所の整備(47%)、気象情報の充実(43.6%)、市町村長からの適切な避難勧告などの発令(41.7%)などを望む声が多かった。
(編集担当:福角忠夫)