国家公務員に労使交渉導入すべき 世論の6割

2009年10月19日 11:00

 国家公務員の給与など勤務条件を労使交渉によって決める仕組みづくりをすすめている政府は、労使交渉の導入によって期待できることや心配されること、導入する際に重視しなければいけない視点、導入することの賛否ついて、国民の意識を把握するために今夏に実施した「国家公務員制度改革に関する特別世論調査」(内閣府調査)の結果を16日までに公表した。それによると、労使交渉について、導入すべき(29.9%)、どちらかといえば導入すべき(30.1%)を合わせると59.9%が導入すべきと考えていることが分かった。導入すべきでないは16%にとどまった。

 調査は全国の20歳以上の男女3000人を対象に、8月27日から9月6日の間に、調査員が個別面接方式で実施。1935人から回答を得た。

 それによると、国家公務員に対して求めることの一番は「モラル・責任感」(63%)。次いで「国民に対する公平な対応」(53%)、「仕事に対する熱意、意欲」(49.9%)だった。

 労使交渉を導入することにより期待できることでは「コスト意識が高まり、業務の改善につながる」「労使双方の責任が国民に対して明確になり、説明責任をより果たすことができる」がともに34.3%で最も高く、「モラルや仕事に対する熱意・意欲が高まる」(31.9%)「現場を知っている当事者が交渉を行うことにより、業務改善意識が高まり、国民目線の行政サービスの向上につながる」(29.6%)などが続いた。

 一方で、導入によって「交渉が難航・長期化し、行政サービスが滞る」(40%)「交渉を行うためのコストが増大する」(33.4%)「労使関係が対立的、不安定となり、効率的な業務運営の妨げとなる」(27.1%)など、懸念を示す意見も比較的多かった。

 内閣府では労使交渉導入に際しての重要な視点についても尋ねており、そのトップは「職員の業績・能力が的確・公正に給与等に反映される仕組み」(46.6%)をつくることで、「交渉の透明性確保」(41.8%)が続いた。「国会が給与などの決定に適切に関与する仕組み」をあげた人も15.5%あった。
(編集担当:福角やすえ)