農林水産省は鳩山政権が公約した農家への戸別所得補償制度の実現に向けた制度設計を行う「推進本部」を農林水産大臣、副大臣、大臣政務官の政務三役会議の下に設置し、省として具体化に向け動き出した。
推進本部長には赤松広隆農水相自らが就任し、副大臣が副本部長、大臣政務官が本部長を補佐。その下に「制度推進チーム」が構成され、チーム長には副大臣、チーム長代理に事務次官が就任した。また、事務局は11人の専任スタッフと数名の兼任スタッフがこれにあたることとなった。
赤松農水相は推進本部立ち上げにあたり、副大臣や職員に対して、2011年度から制度運用(所得補償)できるよう制度の構築へ激励した。
農家への戸別所得補償は農畜産物の販売価格が生産に要した費用を下回った場合に、その差額を補償するもので、補償の対象や補償水準の設定など具体化の上で難しい課題が多い。制度推進チームではモデル事業を来年度に行い、制度構築に努めることにしている。
また、農家の戸別所得の補償範囲が専業農家のみか、兼業も含むのか、兼業の場合は1種までか、2種まで含むのか、あるいは耕作面積で線引きするのか、などでも兼業農家が多いだけ、どのような制度になるのか関心が高い。
(編集担当:福角忠夫)