国土交通省は今年10月1日に大阪府大阪市内の個室ビデオ店での火災により15人の死者がでるなどの事態を受け、個室ビデオ店やカラオケボックス、マンガ喫茶・インターネットカフェ、テレフォンクラブなどを特定行政庁に緊急点検を指示。その結果をまとめ、公表した。
今回の点検は防火や避難関係法規など建築基準法令に適合しているかどうかを軸に、チェックしたもので、10月31日現在までに都道府県から報告された。その内容によると、緊急点検対象8574件に対し、3085件で建築基準法令に関して違反する部分が見つかった、としている。このうち、2954件に是正指導がなされ、74件で是正措置がとられた。
緊急点検対象の内訳は個室ビデオ店が795件、カラオケボックスが5686件、マンガ喫茶・インターネットカフェが1945件、テレフォンクラブが148件。法令違反が見つかったのは個室ビデオ店全体の63・8%にあたる507件、テレフォンクラブも56・1%の83件と半数を超えていた。カラオケボックスは29・4%(1671件)だった。
物件によっては複数の違反もあり、違反内容で最も多かったのは「非常用照明装置の不適」(2156件、違反内容全体の25・1%)。次いで、「排煙設備関係」(1779件、20・7%)。「防火区画関係」(667件、7・8%)だった。
国土交通省では「緊急点検が完了していない特定行政庁には、引き続き、点検の実施と結果の報告を求めるとともに、建築基準法令に違反する事項が認められた物件については、特定行政庁に対して、迅速な違反是正に取り組むよう要請し、国土交通省において、定期的なフォローアップ調査を行い、その結果を公表する」としている。