森林減少・劣化に由来するCO2等の排出削減へ

2008年07月04日 11:00

 途上国の森林減少・劣化防止に関する国際ワークショップが東京都渋谷区の国際連合大学 ウ・タント国際会議場で開かれ、世界の温室効果ガス総排出量の約2割を占める途上国の森林減少・劣化に由来する二酸化炭素等の排出削減のための方法論等について議論された。

 二酸化炭素等の排出削減のための方法については、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の開発した手法を用いて信頼性の高いデータを得ることや、途上国における能力向上がデータ収集およびリモートセンシング技術などのために必要である、という考えで一致した。

 また、基準となる排出レベルの設定方法については、(1)各国の事情等を考慮した柔軟なものとすべき、(2)信頼性の高い歴史的データに基づくべき、(3)定期的な見直しが必要などの意見が出され、今後、継続して検討することになった。

 途上国における能力向上については(1)国内における調整や多様な利害関係者との協働(2)スケールアップされ、かつ国毎のニーズに沿った訓練実施(3)データ収集・保管、リモートセンシング技術の活用、国家モニタリングシステムの開発などが重要であるとした。

 ワークショップにおいては、各国・各機関からREDDのための最新の取組状況が報告され、日本は、途上国の森林減少・劣化の防止に資する持続可能な森林経営のための多様な支援や我が国の陸域観測技術衛星「だいち」を含めたリモートセンシング技術の現状を紹介した。

 ワークショップの結果は、今年12月にポーランドで開催される第29回SBSTA会合での検討を経て、並行して開催される第14回締約国会議(COP14)に報告される。

 気候変動枠組条約締約国(58カ国)と関係国際機関、NGO等約160名が出席。日本からは開会式に若林正俊・農林水産省大臣が出席し、挨拶をおこなったほか、同省(林野庁)及び関係省が出席した。