女性100人に3人 性的関係強要された 防衛省

2008年04月24日 11:00

 防衛省が行った防衛省所属者に対するアンケートで、「裸や水着のポスターの掲示」をセクシャル・ハラスメントと思うとの回答が女性より男性の方が上回った。一方で、女性の100人に3人が性的関係の強要を受けた経験があると回答した。

 これは、防衛省が省内でのセクシャル・ハラスメント防止施策の基礎資料にするため、昨年8月に現行の防止施策に対する理解や活用状況について、各機関別に無作為抽出した男女各1000人を対象に調査を実施した結果を公表したもので、1996人(女性1004人、男性992人)から回答があった。

 どのような行為を受けた時にセクシャル・ハラスメントと思うかでは「裸や水着のポスターの掲示」について、男性の66・1%がセクシャル・ハラスメントと思うと回答。平成10年調査(26・8%)に比べ、2・47倍に増加していた。女性も58・4%と平成10年調査(33・8%)に比べ24・6%増えた。「思う」との回答は、平成10年調査では女性が男性を上回っていたが、今回は男女逆転した。

 防衛省では「調査項目で平成10年調査に比べ、ほとんどの項目で増加しており、セクシャル・ハラスメント行為に対する認識は高まっている」としている。

 カラオケでデュエットの強要についても男性の53・8%、女性の45・7%がセクシャル・ハラスメントと思うと回答していた。

 また、性的関係の強要について、女性は前回(平成10年調査)18・7%の人が強要されたと回答していたが、今回は3・4%にまで減少した。ただ、100人中3人が強要された経験があるという実態も浮かび上がっていた。男性も0・2%が強要されたと回答していた。

 セクシャル・ハラスメント防止に対する教育を過去に受けたことがあるかでは、女性の86%、男性の93%があると回答。苦情相談では「自分の所属部隊(機関など)における相談員の氏名、所属、連絡先内線番号を知っているか」との問いに女性の79%、男性の71%は知っていたが、女性の21%、男性の29%は知らないと回答しており、周知の必要ださらに求められていた。また、相談員を活用したことの有無では、ある人は女性が4%、男性が1%とほとんどなく、相談員に相談しやすいと思うかでは思うややや思うが女性で31%、男性で32%。あまり思わないと全く思わないが女性の39%、男性の23%あり、相談のしやすい環境づくりをどう整えていくのか、課題が浮かび上がっていた。

 アンケート回答者の年齢は29歳以下が女性274人、男性240人。30代が女性280人、男性256人。40代が女性245人、男性255人、50代が女性205人、男性241人だった。所属機関別では内局25人、防衛大学25人、医大65人、防研20人、統幕20人、陸自981人、海自350人、空自350人、情本20人、技本30人、装本20人、施設庁90人になっていた。