住友林業が浦安市公募事業「液状化対策工法実証実験」を開始

2012年09月14日 11:00

 住友林業が、千葉県浦安市の公募した液状化対策工法の有効性を検討する実証実験の実施者として選定され、独自の液状化対策工法の実証実験を行うと発表。同社と住友林業アーキテクノとが部材開発・施工全般を担当し、日新製鋼と日新鋼管が部材製造・供給を担当する。

 東日本大震災を起因とした地盤の液状化により大きな被害を受けたことから、市が管理する運動公園等の使用を民間企業に許可することで、液状化対策として各企業が取り組む新たな工法の実証実験を通じ、その実用化を支援していく方針を掲げる浦安市。この方針の下、民間企業から有効な工法を募集し、同社を含め9者が実証実験の実施者として選定されている。

 東日本大震災以前においては、地盤の液状化に対し戸建住宅に導入可能な費用でかつ、有効な効果を発揮する工法で実用化されたものは非常に少なく、また従来の施工機械は大型のため一般的な住宅地での施工には不向きであった。こうした中住友林業は、従来の課題を解決し、戸建住宅に導入できる費用で十分な効果と耐久性を発揮できる技術として、建物基礎の周囲を鋼板で補強することで建物直下の地盤流出を抑制する工法をかねてより検証。現在も引き続き検証段階であるこの工法について、実際に液状化した浦安市の地盤を使用し実証実験を行うことで、同市に対し有効な液状化対策の提案を行うとともに、震災時における地盤の液状化が予測される他の地域へと技術提供していく。