12月も下旬になり、寒さが本格的になってきたが、低温・低湿度の冬は、免疫力が落ちやすく、身体のコンディションや肌状態を崩しやすい。バランスの良い食事と質のよい深い睡眠で自己免疫力を高めるのが前提だが、サプリメントや化粧品などの力を借りる人も多くなっているようだ。
そのような中、近年、注目を浴びているのが抗酸化成分の「アスタキサンチン」。エビやカニ、鮭や鯛などの魚介類や赤い野菜や果物に含まれる色素で、生物や食物が紫外線の悪影響から身体を守るために備えられているという。その抗酸化力(身体のサビ取り)はケタはずれで、βカロチンの10倍以上、ビタミンEと比べるとなんとの約1000倍以上を誇る。細胞を傷つける活性酸素を消すパワーが非常に強く、現在、多様な分野で研究が行なわれているようだ。健康効果としては、脳卒中や動脈硬化の予防、肩こりの改善、筋肉疲労の回復、冷え症改善、肥満改善、眼精疲労の軽減、さらに記憶力の改善などが挙げられているという。
また、同成分は、シミ、しわ、たるみの予防に力を発揮する。コーセー<4922>は1992年からこの成分に着目。1994年には同成分が活性酸素の中でも特に老化に影響のある一重項酸素を消去するパワーがある事を発見し、化粧品への配合に研究を積み重ね2005年に「アスタリューション」を発売している。さらに富士フイルム<4901>もCoQ10の約1000倍の美肌パワーを持つアスタキサンチンに着目し、アンチエイジング化粧品としてアスタキサンチン等を含む「アスタリフト」を発売、注目を浴びているようだ。
健康と美容に欠かせない抗酸化成分の「アスタキサンチン」。今後も様々は商品への応用力が期待されている。(編集担当:野口奈巳江)