サマーブレイク前の最後のレースは3強が表彰台に顔を揃えた。
ヨーロッパを離れ、アメリカラウンドへと戦いの場を移したMotoGP。第10戦はコークスクリューが特徴的なラグナセカ・サーキットで行われた。今シーズン開催されるグランプリサーキットでは一番短いが、高低差があり、スリリングなレース展開が期待された。
ポールポジションはこのコースで4年連続となるホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)。2番手にケーシー・ストーナー(ホンダ)、3番手にダニ・ペドロサ(ホンダ)という、今シーズンの3強がフロントローを占めた。4番手は地元ベン・スピース(ヤマハ)、5番6番にはモンスター・ヤマハ・テック3勢のカル・クラッチロー、アンドレア・ドビツィオーゾが続きヤマハ勢が並んだ。
今回もロケットスタートからホールショットを狙うペドロサだったが、このレースはロレンソが素晴らしいダッシュを見せ、1コーナーを制す。ストーナーは少し遅れて3位になったが、3強がレースを引っ張っていく展開を予感させた。
序盤3周目にはストーナーがペドロサをかわし2位に浮上、スターティンググリッド通りの並びで、三つ巴の戦いへと移行していく。
3強の並びは変わらぬまま、レースは進んで行くが、徐々にストーナーがタイムを上げ、トップのロレンソに少しずつ迫るが、大きな動きを見せる様子はなかった。このまま行くかと思われた残り11周、ストーナーは遂にロレンソをかわし首位を奪う。その後、トップ争いをする2台のペースに付いていけなくなったペドロサはジリジリと離され、優勝争いからは脱落。終盤、タイヤが悲鳴を上げだす頃、ロレンソもストーナーに差を広げられ、ストーナーは今シーズン4勝目を上げた。4位を走行していたスピースはハイサイドで転倒リタイア、3戦連続で表彰台に上っていたドビツィオーゾは同僚クラッチローとの激しい4位争いを制し、好調ぶりを継続していた。
久々の3強揃い踏みの表彰台、反撃の狼煙を上げたストーナーとポイントリーダーで安定した走りを見せるロレンソに現在ランキング2位のペドロサも加わり、後半のポイント争いから目が離せなくなった。
次戦はインディアナポリス・モーター・スピードウェイで8月19日に決勝が行われる。(編集担当:加藤隆文)