2026年2月9日午後、衆院選投開票から一夜明けた高市早苗首相は、首相官邸で日本維新の会・吉村洋文代表と会談した。自民党が単独で316議席という戦後最多の議席を確保し、衆議院での「3分の2」を上回る歴史的大勝を収めた直後であり、両氏は「自維連立」の継続を即座に確認。巨大与党の圧倒的な数の力に維新の改革姿勢を掛け合わせることで、合意済みの政策課題の実行に踏み出す構えを鮮明にした。
■単独3分の2でも「維新を外さない」高市首相の戦略
今回の衆院選の結果、自民党は単独で316議席(追加公認を含む)を獲得した。これは憲法第59条に基づき、参議院で法案が否決されても衆議院で再可決・成立させることが可能な「絶対安定多数」を優に超える数字である。理論上は自民党単独での政権運営が可能になったが、高市首相は会談の冒頭で吉村代表に対し「これまでの連立の絆をさらに強固にし、閣内で共に責任を担ってほしい」と述べ、維新をパートナーとして遇する姿勢を強調した。
この判断の背景には、政策実行における政治的正当性を確保する狙いがある。高市首相が掲げる「責任ある積極財政」や「2年間の食料品消費税ゼロ」といった大胆な政策を断行する際、身を切る改革を標榜する維新が政権内に留まることは、バラマキ批判を抑え、改革と成長の両立を世論に印象づけるメッセージとなる。
■「身を切る改革」と「現役世代支援」の具体化へ
吉村代表は会談後、記者団に対して「自民党がこれだけの信頼を得た以上、合意した政策を停滞させる理由はなくなった」と述べた。会談では、昨年来の連立合意に基づき、衆議院議員定数の「1割削減(小選挙区25、比例区20)」について、速やかに具体的な成案を得る方針を改めて確認した。
加えて、維新が求める「社会保険料の負担軽減」についても、高市政権が掲げる経済対策と並行して議論を進めることで一致した。316議席という安定した議席基盤を得たことで、これまで調整に時間を要していた「身を切る改革」と「現役世代への還元」の両立が、政権運営の主要な柱として位置づけられた形だ。
■第2次高市内閣「実務重視」の布陣
高市首相は同日夕方の会見において、特別国会の召集に向けた調整を本格化させる考えを示した。閣僚人事については、就任から日の浅い現職閣僚を原則留任させる方針であり、「空白期間を置かずに、直ちに政策執行に入る」と強調した。小泉進次郎防衛相や小野田紀美経済安保相らの続投により、実務継続を最優先する姿勢をアピールしている。
維新との協力体制を堅持した高市首相の布陣が、物価高に苦しむ国内経済や混迷する国際情勢に対し、いかなる成果を示すのか。今後は、18日とも報じられる特別国会召集に向けた具体的な法案整理が焦点となる。
■今後の展望:市場と家計が注視する「政策の実行力」
高市首相は今後、速やかに経済対策の柱となる補正予算案の編成に着手する見通しだ。焦点は、悲願とする「食料品消費税ゼロ」の早期実現と、本日の会談で確認された社会保険料減免の整合性である。本日の日経平均株価が前週末比2,110円26銭高(終値:5万6,363円94銭)という歴史的な上げ幅を記録した事実は、政策の継続性と「数の力」による政治の安定を市場が好感した証といえるのではないか。国民が実感できる「成長と還元」をどこまで具体化できるか、新政権の舵取りに有権者の注目が集まっている。(編集担当:エコノミックニュース編集部)













