東芝および東芝燃料電池システムが、停電時でも運転を継続できる自立運転機能付き家庭用燃料電池(PEFC)「エネファーム」の開発を発表。本日から販売元である都市ガス会社やLPガス販売会社向けに出荷を開始する。
新製品は、3月から出荷している世界最高水準の総合効率94%を実現したエネファームに、業界で初めてバッテリーを必要としない自立運転機能を搭載したモデル。エネファームが発電していない時や、ガスの供給が停止している場合は作動しないものの、エネファームが発電中であれば、停電時でも運転の継続が可能。万が一停電が発生した場合でも、テレビやノートパソコン、電気スタンド、扇風機などの電化製品が自立運転時の専用コンセントを介して利用できるという。また、自立切換ボックスを設置すれば、停電時でも給湯機(貯湯ユニット)の電源を商用電源のコンセントからエネファーム側につなぎ換えることなく、そのまま給湯が可能だという。
さらに新製品は、「最大350W、自立切換ボックス無し」、「最大350W、自立切換ボックス有り」、「最大700W、自立切換ボックス有り」の3機種がラインナップしており、住宅の形状や生活スタイルに合わせて機種を選択できる。
一般住宅用の家庭用燃料電池「エネファーム」は、東京ガス が2009年5月に世界で初めて販売開始し、今年4月19日には同社による累計販売台数1万台を達成。これと同調するように東芝も、本年5月末までに全国で約1万台をガス会社に出荷するなど、着実に販売台数を伸ばしている。しかし、依然として200万円を超える価格の壁は高く、一般に普及しているとはいえない状況にある。東芝は、2015年度の目標出荷台数を5万台から8万台へと増加させている。現在の補助金頼みの販売拡大からいかにして脱却するか。それが目標達成の大きな鍵となるのではないだろうか。