近年、フィリピン経済は消費が急増し、中国に次ぎ、東南アジア屈指の高い成長率を誇る国として、注目を浴びている。堅調な発展を遂げることで日系企業はもちろん、様々な国の企業進出も加速度を増しているようだ。
そのような状況下、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は、2013年2月より、フィリピンの現地法人であるNTT Communications Philippines(以下、NTT Comフィリピン)の全事業を、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)関連事業を展開するグループ会社Diversified Technology Solutions International,Inc(以下、DTSI)に移管すると発表した。
NTT Comは、2009年10月にNTT Comフィリピンを設立し、フィリピンにおいて日系企業をはじめとした多国籍企業に対してICTソリューションサービスを提供してきた。また、2012年5月には、フィリピンのBPO事業者向けシステム構築およびプラットフォームサービスを提供しているDTSIグループと資本提携を実施。フィリピンにおけるコンタクトセンターソリューション提供能力をさらに強化しているという。今回の移管により、フィリピンにおける企業向け通信システムの構築、各種通信サービスなどのICTソリューションサービスはDTSIより一元的に提供することとなる。
長期にわたり、東南アジア諸国連合(ASEAN)の中核メンバーという位置にありながら、経済発展にうまく乗りきれなかった感のあるフィリピンだが、今や世界中から注目されるマーケットとなりつつある。今回、BPO事業者向けシステム構築に多くの実績を有し、フィリピンで実績のあるDTSIにNTT Comフィリピンの事業を移管することは、ますます有望なフィリピン市場に進出しようとする多国籍企業の後押しにつながるだろう。(編集担当:宮園奈美)