全国紙など71社への政府広告 1回3億円

2012年02月02日 11:00

 政府が社会保障と税の一体改革の内容を国民に情報提供するひとつとして1月28日付けで全国紙など71社の新聞媒体に全面広告した経費は3億円だった。

 1日開かれた衆議院予算委員会で斉藤やすのり議員(新党きづな)が質し、岡田克也社会保障と税の一体改革担当大臣(副総理)は「事前に質問通告がなかった。通告があれば調べた」とした。これをカバーする形で藤村修官房長官が「政府広報として3億円」要したことを答えた。

 斉藤議員は野田総理が情報発信していくべきで、「億円単位の広告」については疑問を呈した。「社会保障と税の一体改革は全国民がかかわる内容であり、情報提供を社会的使命として掲げる日刊紙であれば有料でなくとも掲載協力して良いのではないか。こうしたケースの時だけ商業ジャーナリズムになるのはいかがなものか」と新聞社側に疑問の声を投げる人もいる。

 政府広報室では電通を通して全国紙・ブロック紙・地方紙含め71社(総部数、公称部数4300万部)の紙面に全面広告(15段広告)し情報提供しており、1月28日付けで掲載したという。また、昨年12月4日にも全面広告を掲載しており、合計6億円あまりを新聞媒体に投じた格好。政府広報では「5400万世帯の80%をカバーしていること。価格についても当然、交渉しており、通常掲載価格より低い価格で契約している」と説明。必要に応じて今後も掲載利用する意向だ。(編集担当:福角忠夫)