衆院特別委で参院6増の自民案可決、自公が強行

2018年07月18日 06:57

 参議院選挙の一票の格差是正を図るためとして自民党が提出した参院議定数「6増」の公職選挙法改正案が17日の衆院特別委員会で強行採決され、自公による賛成多数で可決した。自民案は埼玉選挙区で「2増」するとともに、比例代表で「4増」する。

 特に比例代表では『特定枠』を設け、選挙による得票数でなく政党が決めた順位で候補者名簿をつくり当選順位が決まる『拘束名簿式』を一部で導入する。このため野党から、新たな一票の格差を生じさせ『違憲訴訟を生むことになる』との指摘が出ている。

 『非拘束名簿式』は得票順なので「候補者の顔が見える選挙」として当選者を国民が決める公平性を担保するものだが、『拘束名簿式』は政党が候補の当選順位を決めることになり、「顔が見えない選挙」と言われている。自民の岡田直樹議員は「国会で是非働いてもらいたいと思う人を政党で選出するものだ」などと語った。

 この日、委員会では法案審議中に自民党議員が緊急動議で審議を打ち切らせ、採決を求めた。直後、野党は委員会委員長の不信任動議を提出したが、不信任動議は賛成少数(与党の反対)で否決され、その後、自民党案採決を実施。今国会での成立へ自民、公明は衆院本会議を開き、衆院で可決、成立させる構えだ。

 野党は比例代表の一部拘束名簿の導入は「合区であぶれた候補を救済するためのもの。自民党の党利党略以外の何物でもない」と強く批判している。(編集担当:森高龍二)