トヨタ、世界標準のコンパクトモデル、ヴィッツ改め「ヤリス」に統一して初公開

2019年10月23日 07:52

Toyota Yaris

全長4m未満、全幅1.7m未満の世界標準Bセグメントに投入される新型ヤリス

 トヨタ自動車は、グローバル市場に向けた主力コンパクトカー「ヤリス」の新型車を世界初公開した。2010年末以来の全面改良で、日本市場におけるモデル名もヴィッツからヤリスに変更し、2020年2月中旬に発売する。

 なお新型ヤリスは、東京モーターショー期間中、台場のヴィーナスフォートに展示するほか、10月末から12月にかけ、全国各地で展示予定だ。

 新型ヤリスはトヨタが2015年に発売した4代目プリウスで初採用した新しい開発手法TNGA(Toyota New Global Architecture)による第4弾のコンパクトカー向けプラットフォーム、「GA-B)」を初導入した。併せてパワーユニットやトランスミッション、サスペンション、ハイブリッドシステムなど主要構成要素をすべて新設計、刷新した。

 初代ヤリスは1999年、コンパクトカーの世界標準をつくるとの高邁な目標に向け、トヨタの技術の総力を結集してつくり上げたクルマだ。ゆとりの室内空間と、優れた基本性能をミニマムサイズで実現するため、プラットフォームをはじめ、エンジン、トランスミッション、サスペンションなど、主要コンポーネントをすべて新設計したクルマだった。

 当然だが、新型車ヤリスも次の時代に求められるコンパクトカーの新たな価値を追求し、開発を進めた。コンパクトカー向けTNGAプラットフォーム(GA-B)を初採用し、軽量かつ高剛性、低重心なボディを開発。従来型に比べ車両重量を50kg軽量化しながら、ねじり剛性を30%以上強化、重心高を15mm下げ、優れた操縦安定性と上質な乗り心地を両立した。また、「軽快」かつ「Confident & Natural(運転中も車両が安定していて安心&ドライバーの意図通りに反応して自然)」な、クラスを超越した走りを実現したとしている。

 加えて、エンジン、ハイブリッドシステム、トランスミッション、サスペンションなど、すべてをゼロベースから設計した新世代コンパクトカーとなった。

 ロングストローク、バルブ挟角拡大などの高速燃焼技術を採用し、低燃費と高出力を両立した新M15A型「1.5リッター直列3気筒ダイナミックフォースエンジン」を開発。新型M15A型エンジンは低回転域のトルクが太いという特徴を有する。これに加えてDirect Shift-CVT 、新世代ハイブリッドシステム、6速マニュアル、そして改良を加えた1.0リッターエンジンに小型軽量化したCVTと、4種類のパワートレーンを用意した。

 新開発1.5リッター新世代ハイブリッドシステムは、システム全体の高効率化とハイブリッドシステム専用のエンジン設計、加えてすべてのハイブリッドユニットも新開発して、さらなる低燃費を実現。ハイブリッド車として世界最高レベルの燃費に加え、加速性能も向上し、燃費と走りの両立を目指した。また、トヨタのコンパクトカーHVとして初めて、E-Four(電気式4WDシステム)を設定。

 運転支援システムの充実のニュースだ。トヨタ初の高度駐車支援システム「Advanced Park」や、これもトヨタ初となる交差点右折時の対向直進車・右左折後の横断歩行者も検知対象とした最新の「Toyota Safety Sense」を標準装備。誰でも楽に乗り降りできる「ターンチルトシート」(トヨタ初)、スマートフォンとの連携ができる「ディスプレイオーディオ」(全車標準装備)など、先進的な機能をいち早く採用した。さらに、アクセサリーコンセント(1500W)をハイブリッド車にオプション設定し、家庭用と同じコンセントを通じて電化製品を使用できるほか、停電などの非常時には発電機として使える。(編集担当:吉田恒)