法を最も遵守すべき立場にあった前法務大臣の河井克行衆院議員と妻の案里参議院議員が昨年夏の参院選挙に絡み、地元・広島の自治体議員や首長らに現金を配った公職選挙法違反(買収)の容疑で18日、東京地検特捜部に逮捕された。両夫妻が選挙を優位に戦うためおよそ100人に計約2600万円を配った容疑がかかっている。
参院選挙を巡っては案里陣営に自民党本部から1億5000万円もの資金が選挙直前に提供されている。この金が今回の買収に使われた疑惑も含め、徹底解明することが期待される。
菅義偉官房長官は18日の記者会見で「政治家たるもの、自らのことについては自ら説明責任を果たすのが基本」と河井両容疑者について、説明責任を自ら果たすべきとの考えを強調した。
立憲民主党の安住淳国対委員長は「予算委員会の集中審議を求める」とし、そこで安倍晋三総理に(1)なぜ、逮捕されるような人物を法務大臣にしたのか(2)自民総裁として1億5000万円を提供した経緯(3)1億5000万円の使い道について、党として説明する責任がある、と述べた。また「早い段階で議員辞職勧告はあってしかるべき」と述べた。
日本共産党の志位和夫委員長はツイッターで「議員辞職を求める」とするとともに「買収疑惑の解明とともに、案里氏の参院選応援に1億5000万円を出した自民党の責任が厳しく問われる。原資は政党助成金=国民の血税。何の目的で金を出し、何に使ったのか。本丸はここ」と自民党本部が河井容疑者側に提供した1億5000万円の目的、使途解明を強く求めている。(編集担当:森高龍二)