沖縄県議会は14日開いた本会議で「米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対し、環境影響評価書の提出断念を求める意見書」を全会一致で原案通り可決した。渡辺周防衛副大臣はこの日開かれた参議院沖縄および北方問題に関する特別委員会で「意見書の内容が厳しい内容であることは知っている。真摯な議論をしていくべきと思っている」と評価書提出について、沖縄の理解を得るべく努力していく姿勢を示した。
一川保夫防衛大臣、藤村修官房長官は今月9日の衆議院予算委員会で辺野古への移設のために沖縄県知事が有する海面埋め立ての許可権限を国に移す特措法の制定については「全く念頭にない」と答弁し、強硬手段はとらない考えを示しており、地元の理解を得るための努力を重ね、できるだけ円満にことをすすめたい考えを述べた。
しかし、今回の県議会の意見書可決は辺野古移設の理解を得るためのハードルをさらに高くする要因となった。沖縄県議会は「環境影響評価の手続き後は知事が許認可をもつ公有水面埋め立ての申請が行われることになり、移設に向けた手続きが一歩進むことになることから、評価書の提出を容認することはできない」とし、「県民の生命、財産及び生活環境を守る立場から、普天間飛行場の県内移設に反対し、国外、県外に移設を求めるとともに、環境影響評価書の提出を断念するよう強く要請する」としている。
意見書は総理はじめ外務大臣、防衛大臣、沖縄および北方対策担当大臣、官房長官あてに提出される。(編集担当:福角忠夫)