FCAジャパンとグループPSAジャパンが合併、8ブランドを擁するステランティスジャパン誕生

2022年03月06日 10:21

Peugeot2008 Diesel

FCAジャパンとグループPSAジャパンが合併しステランティスジャパン誕生 写真は統合第一号発表SUVの「プジョー2008GT Pack Blue HDi」421.5万円

 多国籍自動車会社のStellantis N.V.(ストランティス株式会社)の日本における輸入販売子会社であるFCAジャパンとグループPSAジャパンは、2022年3月1日付で両社の事業を統合し、新たにストランティスジャパンとして発足したと発表した。なお、両社は2022年1月25日付で合併公告を行なったという。

 約1年前、2021年1月16日にモビリティテック企業として誕生したStellantis N.V.は、目下、世界各国で現地販売子会社の統合を進めており、ストランティスジャパン設立はその一環。新たに日本で設立されるストランティスジャパン本社は旧FCAジャパンから引き継ぎ東京港区三田に置き、ポンタス・ヘグストロム氏が統合事業を最高経営責任者(CEO)として率いるとしている。

 Stellantis N.V.は世界を代表する自動車メーカーでありモビリティプロバイダーだ。歴史あるアイコニックなブランドであるAbarth、Alfa Romeo、Chrysler、Citroen、Dodge、DS Automobiles、Fiat、Jeep、Lancia、Maserati、Opel、Peugeot、Ram、Vauxhallの14ブランドを擁しグローバル展開。世界の消費者が求める革新的な製品とサービスに応えている。

 今回、日本で発足したストランティスジャパンは、アバルト、アルファ ロメオ、シトロエン、DSオートモビル、フィアット、フィアット・プロフェッショナル、ジープ、プジョーの事業をひとつの組織に統合、8ブランドを擁する。このうち電動車はPHEVの6モデルとBEVの4モデルの10モデルだ。

 今年は新たにジープ、プジョー、シトロエン、フィアット、DSオートモビルからBEVを1モデルとPHEVを7モデル発売し、年内に18モデルの電動車をラインアップする。

 今回の統合にあたり、ストランティスジャパンCEOのポンタス・ヘグストロム氏は、以下のように今回の統合について語った。「モビリティの新時代を切り拓いていくことに大きな意気を感じています。ストランティスN.V.は約1年前に革新的で持続可能なモビリティのために設立されました。日本法人はふたつの販売子会社の力を統合し、クリーンでコネクテッド、そして安全で自由なモビリティソリューションを手の届く価格で届けてまいります。ストランティスジャパンのディーラーネットワークは全国337拠点、107社のパートナー企業により運営されており、36モデルを95のバリエーションで日本のユーザーに届けており、自動車の未来を切り拓いてまいります」と。

 そして、統合発表とほぼ同時に、新星ストランティスジャパンが新製品を発表した。プジョーのコンパクトSUVである「2008」に1.5リッタークリーンターボディーゼルエンジン搭載仕様を追加したのだ。あわせてディーゼルモデル、ガソリンモデルに新しいオートマチックセレクターを採用し、全車仕様変更した。

 プジョーのコンパクトSUV「2008」は、2020年9月の本国デビュー以来、そのデザイン、スポーティな運動性能、優れた燃費、立体駐車場に対応するサイズなどから好評を博している。日本市場でも激戦といわれるコンパクトSUVのマーケットにおいて存在感を発揮し、昨年2021年度の日本における台数においてもブランドの約21%を占め、プジョーブランドの重要なモデルとなっている。

 この2008に1.5リッタークリーンターボディーゼル「DV5型」を搭載した「2008 GT Blue HDi」を追加する。DV5エンジンは2009年ル・マン24を制したプジョー908 HDi FAPの設計を反映させた燃焼室形状、フリクション軽減のためのコーティング処理、2000バールの新型インジェクション、新排気浄化システムSCRFなどの技術が惜しみなく投入した最新ディーゼルだ。

 DV5型エンジンは、最高出力130ps、吸気3リッターガソリンに匹敵する300Nmのトルク、さらにディーゼルエンジンの概念を覆す軽快なレスポンス、良好な燃費(WLTCモード20.8km/リッター)を達成。すでに同エンジンを積んだプジョーの308やRIFTERにおいて好評を博している。

 なお、ステランティスジャパンでは、このDV5エンジン仕様のデビューエディション特別仕様車として「2008 GT Pack Blue HDi」を発売する。

 特別仕様車は、2008ラインアップ初のナッパレザーシートと運転席電動シート&アクティブランバーサポートを装備し、パノラミックサンルーフを標準化したモデル。

 また、新仕様の投入を機に、ディーゼルモデルおよびガソリンモデルのオートマチックセレクターを指先だけで操作できるトグルタイプに変更。ストレスフリーな操作性、センターコンソールの収納スペース改善を図った。

 改良型「プジョー2008」の価格は、324.9万円(Allure)421.5万円(特別仕様車GT Pack Blue HDi)である。(編集担当:吉田恒)